9月20日(日)は「彼岸入り」。2026年の秋のお彼岸は9月20日から26日までの7日間で、中日は秋分の日にあたる9月23日(水・祝)です。今年は敬老の日(9/21)と秋分の日が近く並び、9月19日〜23日が5連休になる珍しい年でもあります。
お彼岸は「彼岸(悟りの世界)」と「此岸(私たちが生きるこの世)」がもっとも近づく期間とされています。秋分の日は太陽が真西に沈む日。西の彼方に極楽浄土があるという仏教の考え方から、両岸が近づく特別な日とされてきました。
お参りやお仏壇へのお供えは7日間のうちどの日でも構いませんが、時間帯は午前中が良いとされています。ご先祖様への用事を後回しにしない心構えの表れであり、明るいうちの方が掃除もしやすいという実用的な理由もあります。
秋のお供え物といえば、おはぎ。小豆の赤色には古くから魔除けの力があると信じられ、邪気を払うものとしてご先祖様への供物に選ばれてきました。小豆は秋に収穫されるため、皮ごと使える「粒あん」が秋のおはぎに、時間が経ってから作る春のぼたもちは皮を取り除いた「こしあん」になる、という説もあります。実はおはぎには季節ごとに4つの呼び名があり、春は「牡丹餅」、秋は「御萩」、夏は「夜船」、冬は「北窓」と呼び分けられています。夏と冬の呼び名は、もち米を「つかずに作る」ことから「いつついたか分からない」にかけた言葉遊びが由来だと言われています。私自身はあんこはもちろん、ごまやきな粉をまぶしたものも好きで、お供えは定番のあんこ、自分でいただく分は気分で変えています。

秋分を境に、季節は「陽」から「陰」へと切り替わります。朝晩の寒暖差で自律神経が乱れやすく、夏の間に消耗した体力が回復しきらないうちに気温が動くため、だるさや肩こり、寝つきの悪さとして表れやすい時期でもあります。東洋医学で秋は「燥」の季節、肺と結びつくとされ、喉や肌の乾燥、空咳などが出やすいタイミングでもあります。
今日からできる整え方はシンプルです。首・お腹を冷やさないよう一枚羽織るものを常備すること、夏の間に消耗した体の潤いを補うために就寝時間を15〜30分早めること、そして朝に深い呼吸を意識する時間を持つこと。激しい運動よりも、ウォーキングのような「養う」動きに切り替えていくのも、この時期に合った過ごし方です。
食材は、肺を潤す「白い食材」が中心です。梨は生で食べるのがもっとも効果的とされ、れんこんはすりおろして汁物に加えると消化にもやさしくなります。白きくらげ、山芋、豆腐、大根もこの時期の定番。発散を抑え体を内側にまとめる酸味(レモン、梅干し、酢の物)や、気を補う栗・さつまいも、しょうがや長ねぎ、味噌などの発酵食品も取り入れたい食材です。反対に、辛味の摂りすぎや冷たい飲食物は、乾燥した体をさらに乾かしてしまうので控えめにしておきましょう。
秋のお彼岸は、ご先祖様に手を合わせる期間であると同時に、自分の体の声に耳を澄ませる期間でもあります。夏を頑張った体をねぎらいながら、白い食材と酸味の食材を少しずつ食卓に取り入れて、季節の切り替えをやさしく後押ししていきましょう。



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